下草も花園
下草も花園
加古井夫人はねっとりとした視線で寛に近づくと、腰に手を回した。
唇を舌で濡らしながら、乳房を男の体にグイグイ擦りつける。
勢いに押されて寛は片足を一歩引き、両手で加古井夫人の躯を抱き留めた。
加古井夫人は寛の胸に顔を埋めて躯を密着させる。
「んーー、あっ……はあ、はあ……フフ、あなた、いい匂い」
男の匂いを胸一杯に吸い込んだ加古井夫人の手は、寛のジーンズのベルトにかかる。
腰を引き額を寛の胸に付けてベルトを外す作業に没頭している姿は、発情した牝そのものだ。
「きついのね……でも、大丈夫、そら、脱げた……はぁ、す、すごい。
これが、そうなの?信じられない……固くて、大きい……コレが欲しかったの……えい、全部脱がすわね……よいしょ、よいしょ……は、はああっ、こんなの、見たことない。
初めてよ、こんなリッパなモノ……ああ、もう堪らない」
目当てのシャフトを見つけた歓びに、加古井夫人は子どものようにはしゃいだ。
片手でグイと根元を握り、もう一方の手でパンティを脱いでいく。
膝頭のところまでずり下がったところで加古井夫人は片脚を抜き、床に腰を下ろした。
握ったままの男根を下に引っ張り、せき立てる。
「早く、早くして。
待てないわ、もう溢れてるのよぉ」
寛は眉一つ動かさなかった。
「煙突屋」を初めて利用する客には、この加古井夫人のようなタイプが多い。
引き下ろされるがまま膝をついた寛に向かって、加古井夫人は半分仰向けになり、躯を開いていく。
それでも肉棒から手を離そうとはしない。
寛は手早く上半身の衣服を脱ぎ、引き締まった肉体の全貌をさらした。
「さあ、来て。
来てちょうだい」
腰をずらしてすり寄る加古井夫人の膣口に、寛は隆々と勃起した男根の膨満部を押し当てる。
加古井夫人の言葉は嘘ではなく、下草も花園もすでに一戦終えたかのように愛液にまみれていた。
久しぶりに訪れた若い男のムスコに、狂い咲いたずぶ濡れの花弁が取り付き、踏みしだかれ、散らされていく。
加古井夫人は圧倒的な挿入感に呼吸が止まり、頭をのけぞらせて寛を迎え入れた。
蜜壺から喉元に達する熱い丸太からビリビリと快感の電撃が躯中を駆けめぐる。
たちまちのうちに、加古井夫人は虚空へ打ち上げられ、突き上げる嵐に翻弄される。
「くっ、はっ、くぅ……おお、お」
肉と肉の摩擦に淫液が泡立ち、掻き立てられる。
蘇った女の快感が本能的に男根を締め上げていく。
それでも寛は揺るぎない。
一方的に責め立てられる肉襞は、性感のボルテージを確実に高めている。
たちまち、加古井夫人は最初のオルガスムスに達した。
両肘を支柱にして胸を反らせ、頭を左右に回し、悶えながら果てる。
続けてピクピクと躯を上下に揺らし、片肘から崩れ落ちた。
「うう、おぉ、おーん、ん、ふっ」