背中に張り付いた髪の毛
背中に張り付いた髪の毛
溺れる直前に水面に上がったかのように、短い吐息を何度もついて、徐々に肉体の緊張がほぐれていく。
目を閉じた加古井夫人の表情に、女を取り戻した余裕が見えた。
柔肌に艶が出て、女体が急速に色気づく。
寛は、体を離し、加古井夫人の膝の裏と肩胛骨の下あたりに腕を通し、弛緩した躯をすくい上げるように抱いた。
間歇的に痙攣する躯を優しくベッドの上に横たえる。
「ああ、素敵……」
寛が首筋から鎖骨のあたりを丁寧に舐め始めると、加古井夫人は恍惚とした顔になった。
寛がブラジャーの肩紐を外すと、自分は両手を後ろのホックに回す。
露わになった乳房に寛が舌と手を這わせると、加古井夫人は少女のような声を上げる。
「垂れ気味で、恥ずかしい……」
「ムグ、フムム……」
そう答えて胸の隆起を愛撫する寛の頭を、加古井夫人はいとおしげに抱きしめる。
寛は濡れた下草から花園の入り口を探った。
「ああっ、そこ、そこよ……ああ、気持ちいい。
そんなふうに触られるのって、初めて。
ああ、ああ、こんな、こんなに感じるなんて、すごい。
指だけでイキそう」
再び甘い欲望が頭をもたげ、加古井夫人は濡れそぼっていく。
頃もよしと、寛は女体を抱き直すと、自分の体の上に乗せるようにする。
密着する体の間を縫うように手を伸ばし、巨砲の先を再び肉壺の口に当てる。
肉棒がクリちゃんを擦るように繰り入れると、加古井夫人は歓喜の声を上げて腰を振る。
「そこ、いい、いい……ああ、また……イッちゃう」
加古井夫人は寛の体の上で、背中をしならせて快感を告げる。
寛は加古井夫人の両腕を掴み、騎乗の体勢を取らせた。
加古井夫人は寛と手のひらを合わせるようにして支えてもらうと、淫らな腰振りダンスを始める。
「ああ、いい、ものすごく、いい、気持ちいい」
腰の動きに合わせて肉棒を包み込むヴァギナも収縮する。
激しい性のリズムがまた加古井夫人を頂に押し上げていく。
怒濤のような突き上げに加古井夫人が一瞬ひるんだのを見て取ると、寛は上体を起こして女体を抱き取り、上下に揺すぶるようにファックした。
「ああっ、だめぇ、イク、イク、イクーーーッ」
寛の首にかじりつき、加古井夫人は再びアクメを迎えた。
淫らに乱れる加古井夫人は全身から発汗し、やがて静まった。
しばらくして寛が、加古井夫人の背中に張り付いた髪の毛を取ってやると、夫人は激しい息遣いの合間に満足げな声を出す。
「私の中の、あなたが……熱くて、うれしい」